[PR]多忙でも今日の特売check:特売情報を無料でGET!

●骨抜きにされた瀬戸市土地利用調整条例


  複数の方から指摘されているのは、瀬戸市土地利用調整条例の恣意的な解釈の問題です。次のWEBページであらましは理解できます。

http://www.city.seto.aichi.jp/organization/tokei/trtj.htm

 本文は以下にあります

http://www.city.seto.aichi.jp/organization/soumu/reiki/reiki_honbun/ai50604211.html

 この条例の目的は、第一条に明文化されています。

 第1条 この条例は、土地が市民生活及び産業経済活動の共通の基盤であり、地域の発展及び市民の生活に深い関わりを持つ限られた資源であることにかんがみ、本市の土地利用に関する総合的な施策の実施に当たり、開発行為等の計画について、協議等の手続を定め総合的な調整を行うことにより、地域の均衡ある発展と市民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

赤字で示した用語は第二条で定義されています。

 第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 土地利用計画 市が法令に基づいて策定した土地利用に関する諸計画で規則に定めるものをいう。
(2) 開発行為 住宅用地、工場用地、ゴルフ場用地等の造成、土石の採取、鉱物の採掘、水面の埋立てその他土地の区画形質の変更をいう。

 土地利用計画に関してはその後制定された瀬戸市環境基本計画も該当することでしょう。開発行為には「土石の採取」や「鉱物の採掘」も含まれています。

 ここでは開発を行う事業者にも、またそれを審査する瀬戸市にもさまざまな手続きが取り決められています。抜粋すると次のとおりです。

@ 事前相談(事業予定者⇒市)
A 地元周知範囲検討のための資料の提出(事業予定者⇒市)
B 周知範囲の検討結果の通知(市⇒事業予定者)
C 関係地域住民等への周知・意見聴取(事業予定者⇒関係地域住民等)
D 開発行為等協議申請書・周知状況報告書・添付図書の作成(事業予定者)
E 開発行為等協議申請書等の提出(事業予定者⇒市)
F 市内部審査:原則2ヶ月以内(土地利用研究会、土地利用調整会議、土地利用対策会議)
G 協議結果の通知(市⇒事業予定者)
H 開発行為等の変更申請
I 届出

住民の声がきちんと反映される仕組みといえ、井上前市長の人柄がしのばれます。

●適用除外

 ところがこの瀬戸市土地利用調整条例には適用除外があります。
第8条 前2条の規定は、次に掲げるものについては適用しない。
(1) 1,000平方メートル未満の事業区域で行われる開発行為等(産業廃棄物関連施設の設置を除く。)
(2) 既存の建築物(産業廃棄物関連施設を除く。)の増築又は改築
(3) 国、県、市その他これらに準ずる者で規則に定めるものが行う開発行為等
(4) 法令等の規定に基づく土地利用に関する計画に適合するもので、規則に定める開発行為等
(5) 非常災害のため必要な応急措置として行う開発行為等
(6) その他特に土地利用上支障がないと市長が認める開発行為等

 3は審査する側と審査される側とが同一であることから、審査そのものに客観性が期待できないとして設けられた適用除外と解釈できます。そもそも自治体の事業はいく段階もの公的な手続きを経て実施が決まったものであり、土地利用調整条例による調整は手続きが重複しているとみなされても仕方がないことです。
 6については小規模な開発行為であり、かつ瀬戸市の土地利用上で矛盾がないと認められるものに関して煩雑な手続きを避けたものと解釈できます。
 率直に見る限り適切に運用されれば、意義ある条例でしょう。

●適用除外するに至った経緯

 ところが、増岡現瀬戸市長はこれらの土地利用調整条例の適用除外を拡大解釈して今回の開発案件を不問に付しています。その顛末を残された書類から追ってみます。

 まず、私の手元にあるのは「鉱業権に伴う瀬戸市土地利用調整条例第8条第1項第6号の規定の適用依頼について(伺い)」と題した文書です。商工観光課が都市計画課に宛てた物で、日付は平成13年1月24日です。

 本文は「このことについて、愛知県陶磁器鉱業協同組合及び愛知県珪砂鉱業協同組合が愛知県の所有地において行う鉱業法による鉱物の掘採に伴う瀬戸市土地利用調整条例の規定について下記のとおり取り扱うことを建設部都市計画課に依頼してよろしいか」です。

 瀬戸市土地利用調整条例は都市計画課が管轄し、珪砂の採掘は商工観光課が管理しているので、商工観光課から都市計画課に願い出る形式を取っているようです。

 この依頼を受けて早速1月30日に会議が開かれたことは、手書きのメモから推測できます。

 この文書には別途「案」と手書きされた文書が添付されていたらしく、それには日付がありません。草案だからでしょう。商工観光課長から都市計画課長に宛てたもので、そこには後に適用除外の理由とされた二つの事項が書かれています。

理由とされたことは二つあり、

1.愛知県の所有地を開発することにより本市の陶磁器関連産業及び窯業土石関連産業の振興に資すること
2.鉱業法関連の事務分掌を商工観光課が所掌しており、国及び愛知県との連絡調整が密にできること

おなじ文書で平成13年2月16日の日付の入ったものがありますが、内容は一言一句かわっていません。

おそらく日付のない文書は1月30日の合議に向けて資料として作られたものであり、日付のある文書は合議を経て、都市計画課への正式の依頼として提出されたものでしょう。

そして同日の2月16日を起案日とする文書が作成されます。これは都市計画課で作成され、伺いとして出されたもので、瀬戸市長の印鑑まで押されています。先の文書が部課内部で処理されたのとは同じ「伺い」でも重みが違います。

ここでは商工観光課の依頼文を基にしながら、適用除外の理由は次のように述べられています。

「別紙依頼文により、両組合が県有地において鉱物の採掘を行うことは愛知県の鉱物採掘規則に則った準公共的な行為であり、これにより本市の陶磁器関連産業、窯業土石関連産業の振興に資すること、また別途本市との協議窓口が設けられることにより、同条例の目的が担保されるものと解釈できるため」

かくて二つの組合による採掘事業は将来にわたって瀬戸市土地利用調整条例をフリーパスすることになったわけです。

同年11月13日に出された文書では、土地利用調整条例の手続き免除を願い出ていた珪砂組合に、産業観光課から手続きの免除が通告されています。その間、「商工観光課」から「産業観光課」に組織の名称変更があったようですが、担当者の名前は変わっていませんから、組織はそのまま引き継がれていることが分かります。もっともこれには開発地区の名称はなく、平成3年から13年の同意書が添付されていたようですから、既存の鉱山に関するものと思われます。

 紺屋田・印所のホフマンの森の開発が明確に登場するのは平成14年10月4日付の瀬戸市長宛ての文書です。これは珪砂組合の加藤理事長から提出されたもので、土地利用調整条例に関わる文言はなく、単なる連絡書の形式をとっています。

 しかし産業観光課はわずか4日後に土地利用調整条例の適用除外に向けて都市計画課に合議を持ちかけ、おそらく先の文書で約束した「瀬戸市土地利用調整条例と同程度の協議等」に入ることを明言しています。その内容は「鉱業法に基づく租鉱権設定許可、施行案認可、森林法及び砂防法など関係法令等に基づく許可、認可等の申請又は届出の終了時に協議を行い、申請又は届出に必要な地域関係住人への周知状況や利害関係者等の同意書等の確認を行うものです」とされています。

 都市計画課では産業観光課から合議を受けて同日に瀬戸市土地利用調整条例の適用除外を起案し、五日後に決済しています。

●問題点


 これまでの経緯について疑問点をまとめておきます。

 1.まず1月24日の都市計画課の文書で目を引くのは最初から条例を適用除外することを前提に検討が行われていることです。したがって検討はどの条項を当て嵌めるかに集中し、第三号の適用をめぐって思考をめぐらせながら、結局は「現条例の拡大解釈は困難」と認めて断念しています。

 珪砂組合は「市に準じるもの」ではなく、あくまでも中小企業等協同組合法による私的組織であり、たとえ県や市の職員が天下っていたとしてもその性格が変わるものではありません。市民全体の奉仕者である地方公共団体と限られた組合員の奉仕者である組合とはまったく性質を異にするものです。

 その意味で第三号の適用を見送ったのは賢明です。ところがどうしたことか、平成13年2月26日の文書では「準公共的な行為」という表現で公共性を盾に適用除外を行っています。公共事業ではないのであるから、公共性を理由に適用除外することは断念したにもかかわらず、公共性を盾に第六号を適用しているのですから、自家撞着しています。

自家撞着したのは、はじめに解除ありきの姿勢で論理を展開したためです。もし解除を必須の目標としない公正な審議が行われれば、適用は除外されなかったはずです。

 2.そもそも土地利用上支障がないかどうかは事業や事業者の性格を盾にアプリオリに結論が出せるものではありません。だからそこ条例があり、手続きが決まっているのです。これらは個々のケースを具体的かつ慎重に審議して決めるべきものです。

 市街地で15ヘクタールもの鉱山開発を行う今回のケースは、現地が瀬戸市環境基本計画で緑地保全がうたわれた場所であることや、老人福祉施設や幼稚園が隣接していることを引き合いに出すまでもなく、すでに大問題です。市長や市幹部が、このような開発案件が持ち込まれることを想定していなかったとしたら、土地利用調整条例の適用除外の議論は根本的に誤っていたといわなければなりません。

 実際、瀬戸市の将来に渡って大きな穴を市街地に作る計画が、わずか4日後に適用除外とされたのは計画の内容を審査することなく、事業者の名称だけで適用除外を決めた結果であると見て違いないでしょう。

3.平成13年1月に当時の商工観光課、のちの産業観光課が「土地利用調整条例」を免除する代わりに、その手続きと同程度の手続きを行う約束をしていますが、その手続きの内容は土地利用調整条例の手続きとは異なり、森林法や砂防法など既存の法令の手続き遵守にすぎません。そもそもこれらの既存の法令をもってしても紛争が発生し、なお土地利用に調整を必要と認めたからこの条例が定められたのではないでしょうか。既存の法令の遵守でことたれりとする産業観光課の解釈は土地利用調整条例の存在意義を否定するものです。
 
 瀬戸市土地利用調整条例と同程度の審議が行われたというならば、地元周知範囲の検討がどのように行われたか、情報公開を求めるべきかもしれません。今後の課題です。


[PR]三井住友海上きらめき生命:医療保険のご案内と資料請求はこちらから