金品で異議意見書封じ
愛知県珪砂鉱業協同組合はこの珪組第五鉱山の計画遂行に先立って、同意書を提出した3つの町内会に金銭の支払いをはじめています。
この問題は瀬戸市議会で加藤徳太郎議員が取り上げました。その後の瀬戸市当局の調べでは、支払いは平成15年から始まり、その後10年間に亙って毎年5万円が支払われる予定であることが判明しました。支払対象が同意書を提出した3つの町内会であることから総額は150万円と見込まれます。珪砂組合は事業予定地に隣接する私企業などからも同意書を得ていますが、かれらに対して金銭が支払われたという情報はありません。
総額150万円の支出は決して小さいものではありません。それだけの支出には必ずしかるべき理由や目的があるはずです。
事業者はこれを迷惑料と説明しているようですが、本当に迷惑料であるならば、事業が始まって道路が渋滞する、井戸が涸れる、大量に珪砂が飛来する、河川が土砂で埋まるなど具体的な被害があって支払われるのが普通です。ところが金銭が支払われ始めた平成15年にはまだ事業は始まっていません。
事業が始まる前に一体どのような迷惑がかかったというのでしょうか。思い当たるのは、事業への賛否をめぐって町内で意見が対立し、あとにしこりを残したことくらいでしょうか。もしそれを迷惑というなら、この迷惑料は町内意見の調整料、取りまとめ料といえそうです。ある町内では「その問題についてはお金を頂いて決着がついた」と表現している住民が複数います。事業者側の説明はどうであれ、受け止め方はそれしかないようです。
このような迷惑料の支払いは、予想される保安林解除の告示に対して自由に発言ができない雰囲気を醸成し、反対の異議意見書を出しにくくする効果を狙ったものといえそうです。平成16年10月22日に予定解除が告示されてから、私たちはあらためて周辺地区を回りましたが、町内会の役員をしていた人たちから異口同音に「お金をいただいたので異議意見書を出すことが出来ない」という返答がありました。
またある町内では強い反対意見を唱える人に対し、「もしあなたの反対で開発計画がつぶれ、珪砂組合からお金が支払われなくなったとき、あなたが珪砂組合に代わって金を払ってくれるのか」と反論するひともいたようです。
珪砂組合は「町内宥和が大切」との姿勢を明らかにしていて、私もそれには異論がありません。しかしこのように一方が他方の意見を封じ込めて、表明上対立が見られない状態を町内宥和とみなしているとしたら、見識が疑われるところです。
なによりこのような開発計画を持ちかけ、町内の意見対立を惹起したのは珪砂組合に他ならないのですから。
|