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瀬戸市紺屋田町および東印所町の珪砂採掘計画について

名古屋学院大学 教授 石川輝海
(専門 地質学)

 本計画を紺屋田町の森を歩く会の上杉毅さんより知りました。この地域の調査結果より採掘計画について意見を述べさせていただきます。
 本計画の問題点は住宅地に隣接していることです。採掘地の南部、西部、東部に市街地があり、特に印所川と西紺屋田川に沿って住宅が密集しています。計画では50mの緑地帯を残すことになっていますが、環境にかなりの影響を与えると思われます。その内容は騒音、粉塵、排水、風景の改変などです。この地域は現在まで、森林に囲まれた、快適な居住空間を保ってきましたが、珪砂採掘後はこの採掘地北側の鉱山のような景観になるでしょう。瀬戸の町は地元に産出する粘土鉱床で産業、文化が発達してきましたが、この計画で従来のような一層の発展が期待されるとは思われません。瀬戸は文化を転換する時期に来ているのに、ほんのわずかな鉱床採掘によって町の発展を阻害することは行わない方が良いと考えます。つまり、本計画地を町の緑地として残すことがより有意義と考えます。
 採掘計画地は基盤岩(花崗岩)とその上位に水野砂礫層からなる地域です。本地域の北方の鉱山(大学鉱山など)では基盤岩上に瀬戸陶土層があり、それを採掘しています。したがって、基盤岩が露出した所は瀬戸陶土層を掘り尽くしたことになります。本採掘計画地では西紺屋田川沿いに基盤岩の露出があり、その上位に水野砂礫層が被覆します。採掘の目的である珪砂は瀬戸陶土層に胚胎します。本地域では下位から基盤岩、瀬戸陶土層、水野砂礫層の順ですが、その瀬戸陶土層が紺屋田地区では欠如しているか、厚さが非常に薄いでしょう。紺屋田町北側の小松鉱山の採掘地(本採掘計画地の隣接しています)では、基盤岩の花崗岩が露出しています。そこでは厚さ約50cmの瀬戸陶土層が認められますが、基盤岩の不整合面上にあるため角礫、粘土、亜炭、砂などからなり、明瞭な層理を示さず、良好な鉱床ではありません。
 本採掘計画地の西部の東印所町側は下位から上位へ基盤岩(花崗岩)、瀬戸陶土層(シルト)、水野砂礫層からなります。採掘目的の瀬戸陶土層(珪砂)の厚さは不明ですが、推定約5mでしょう。この厚さも印所川付近で最も厚い推定5mで、東方向に薄くなるでしょう。水野砂礫層の分布と印所川河床の基盤岩(花崗岩)の露出から鉱床としては大きな期待は持てないでしょう。
 以上のことから、本採掘計画地の開発が瀬戸の町にどれだけ貢献するか疑問です。犠牲を払ってまで開発するならば、瀬戸の産業と文化に大きな貢献が必要です。しかし、この計画は瀬戸の産業の最後のあがきのようにしか見えません。瀬戸の産業・文化の転換期にきている今、町の中を全て掘り返し、掘り尽くす必要があるでしょうか。
以上


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